以前の記事でも書かせていただきましたが、私は普段、建築関係の仕事で「荷揚げ屋」という仕事をしています。
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荷揚げ屋(揚重業)のメリットとデメリット
今回は私がやっている建築関係の仕事、荷揚げ屋(揚重業)の関する記事を書きたいと思います。 なお、現在私は独立していて、個人事業主として荷揚げ屋(揚重業)をやっていますが、今回の記事は、作業員として働い ...
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今回の記事では、荷揚げ屋がよく使う資格についてお話させていただきます。
なお、同じ荷揚げ屋でも、石膏ボードの搬入が多いところや、シャッター・サッシの搬入が多いところなど、荷揚げ屋によって取引業者の割合が異なります。
取引先の業種によって、よく使う資格も多少異なりますので、あらかじめご了承ください。
目次
1.荷揚げ屋がよく使う資格はズバリ
荷揚げ屋がよく使う資格はズバリ
- 玉掛け技能講習
- フォークリフト運転技能講習
- クレーン特別教育
この3つをよく使います。
2.玉掛け技能講習
・玉掛け技能講習とは?
玉掛け技能講習の定義としては
「つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン若しくはデリック、揚貨装置による玉掛作業に従事するには『玉掛け技能講習』を修了することが必要」
となっています。
ここで注意が必要なのは、吊り上げ荷重とは、負荷させることができる最大の荷重をいいます。
つまり、1トン未満の荷物を上げる場合でも、吊り上げ荷重が1トン以上のクレーンに玉掛け作業を行う場合は「玉掛け技能講習」を修了する必要があります。
※クレーンなどの能力が 1トン以上の場合 という意味です。
・玉掛け技能講習の取得費用と取得日数
取得費用と取得に必要な日数ですが、
クレーン免許を持っていれば、費用は少し割引され学科も短縮されます。
なお、割引・学科短縮の対象となるクレーン免許には、後ほど紹介する「クレーン特別教育」は含まれませんのでご注意ください。
私が取得した教習所で、クレーン免許を持っていない場合は、取得費用が22,000円、取得日数が3日間の全19時間でした。
クレーン免許を持っている人の場合は、取得費用が20,000円、取得日数は同じ3日間ですが全15時間に短縮されます。
なお、取得費用に関しては教習所により違いがありますので、参考程度に留めといてください。
3.フォークリフト運転技能講習
・フォークリフト運転技能講習の特徴
フォークリフト運転技能講習の資格は、私はたまにしか使いませんが、取引先の業種や作業現場によってはよく使います。
フォークリフトの運転が必要な現場で、ずっとフォークリフトの運転が仕事という事もあります。
・フォークリフト運転技能講習の取得費用と取得日数
取得費用と取得に必要な日数は、普通自動車免許を持っている人の方が、費用も安く日数も少ないです。
それと、費用に関しては地方で大きく異なるそうです。
私が取得したところで、普通自動車免許を持っている人は、取得費用が35,000円、取得日数が4日間の全31時間です。
普通自動車免許を持っていない人の場合は、費用が39,000円で、日数は5日間の全35時間になります。
4.クレーン特別教育
・クレーン特別教育とは?
クレーン特別教育は、つり上げ荷重5t未満のクレーン(移動式クレーンを除く)の運転をする時に必要な特別教育です。
主に、建築現場にあるタワークレーンや、倉庫や工場の建物内に備え付けてあるクレーンを運転する時などに使います。
特別教育以外のクレーンの免許や技能講習は多数ありますが、荷揚げ屋が持っているクレーンの資格は、費用が安く取るのが簡単な「クレーン特別教育」が多いと思います。
・技能講習と特別教育の違い
技能講習と特別教育の違いですが、技能講習より特別教育の方が簡易的な資格です。
技能講習には一応試験がありますが、特別教育は講習を受ければ、試験無しで資格がもらえます。
そして、技能講習より特別教育の方が、講習日数や時間が短く、取得費用も安いです。
・クレーン特別教育の特徴
クレーン特別教育の特徴の話もさせていただきます。
まず、特別教育なので試験も無く、資格取得は簡単です。
ただ、注意が必要なのは、クレーン特別教育で運転可能な、吊り上げ荷重5トン未満のクレーンでも運転は結構難しいです。
特に旋回する時に遠心力がかかり、吊り荷が揺れることが多いです。
クレーン特別教育を修了している人が、特別教育で運転可能なクレーンで、事故を起こしたという話を何度か聞いたことがあります。
クレーン特別教育は、取得するのが簡単な割には、資格の範囲内のクレーンでも操作は結構難しいので、資格取得後の操作は十分に注意しましょう。
・クレーン特別教育の取得費用と取得日数
クレーン特別教育の取得費用と取得日数は、私が取得した教習所で、取得費用が15,000円、取得日数が2日の全13時間でした。
※取得費用は教習所により異なる
5.資格取得のメリット
・資格を持っていると仕事にあぶれる事が少ない
多くの建築会社や荷揚げ屋は、全体の人数に対して、資格を持っている人が少ない所が多いです。
私は今回紹介した3つの資格を持っていますので、力仕事ではなく、資格が必要だからという理由で、仕事に呼ばれる事が結構あります。
荷揚げ屋同士の応援の仕事でも、自社スタッフは空いているけど、資格を持っている人間が足りないので、応援に呼ばれたりする事もあります。
・楽をできることが多い
資格を持っていれば、いい意味で楽をできる事が多いです。
例を上げれば、エレベーターや階段で荷揚げをする予定が、現場に行ったらクレーンがあって使わせてもらえるといった事があります。
ただ、その時に使わせてもらえる条件として、資格を持っている必要があります。
フォークリフトの場合も、手で運ぶ予定の仕事が、現場にフォークリフトがあって使わせてもらえたら、搬入口の近くまでフォークリフトで荷物を運べます。
さらにもっと上手くいけば、フォークリフトで本置きの場所までは運んで、仕事があっという間に終わるという事もあります。
6.資格取得のデメリット
・取得費用と取得日数がかかる
取得費用が30,000円の資格でも、実質的な出費は30,000円だけではありません。
取得日数が3日間かかる場合、3日間仕事を休まなければいけないので、日給10,000の人だと30,000円の収入減になります。
つまり、取得費用30,000円と30,000円の収入源で、実質的には合計60,000円かかることになります。
私も、それが大きな理由で、荷揚げ屋を始めてから15年くらいは資格を取りませんでした。
ただ、会社によっては資格取得の費用を出してくれる所や、補助金を出してくれる所もあります。
出勤に関しても、出勤扱いにしてくれる所や、補助金を出してくれる所もあります。
資格取得に関しては、荷揚げ屋もしくは建築関係の仕事をどのくらい続ける予定か、今の仕事を辞めた後も、その資格を使う可能性があるかなども考慮して、取得するしないの判断をするといいと思います。
・会社によっては長時間拘束の仕事に入れられる可能性がある
荷揚げ屋は基本的には1現場単位の給料の所が多いです(例外あり)。
比較的短時間で終わる仕事を、1日に2現場・3現場・4現場と、現場を数多く回ると効率的に稼げます。
逆にあまり割がよくないのは、長時間拘束される現場に入って1日1現場で終わることです。
長時間拘束される現場に入れば、一定時間を超えれば割増料金が発生したり、1日料金で割増になったりしますが、
※会社により異なる場合があります
それでも、短時間で終わる仕事を2件回った方が稼げるケースが多いです。
長時間拘束の仕事が多い会社では、玉掛け・フォークリフト・クレーンなどの資格を取ると、資格が必要な1日仕事に回されてしまうこともあります。
私が最初に入った荷揚げ屋は、大手の荷揚げ屋でしたが、一日仕事に回されるのを嫌がって、あえて資格を取らない人が多くいました。
ただ、荷揚げ屋をある程度長く続けるのであれば、玉掛け・フォークリフト・クレーン特別教育といった資格は、取っておいた方が有利だと思います。
7.無資格作業は絶対に止めておきましょう!
・無資格作業は危険!
資格に関する注意点ですが、ズバリ、無資格作業は止めておきましょう。
無資格作業を止めておく理由ですが、まず危険です!
私も10年以上前に、当時所属していた会社の指示で、何回か無資格で玉掛け作業をした事があります。
運よく事故は起きませんでしたが、今から思えば、かなり危ない吊り方をしていました。
数日程度の技能講習や特別教育でも、危険ポイントや、正しい吊り方や操作方法を教えてもらえるので、受講していれば事故のリスクは大幅に減ります。
・無資格で事故を起こしたら大問題になる!
有資格作業を行う際に、資格を持っていても事故が起きてしまう事はあります。
逆に、無資格でも運よく事故が起きない事もあります。
ただ、もし事故が起きてしまった場合、有資格者が起こした事故なのか、無資格の人間が起こした事故なのかで、問題の大きさは全然違ってきます。
無資格作業で事故を起こしてしまった場合、有資格者が事故を起こしたケースより数倍大きな問題になります。
無資格作業は危険なだけでなく、事故を起こしてしまった時の責任問題も大きくなりますので絶対に止めておきましょう。
8.さいごに
今回は、荷揚げ屋がよく使う資格と、その注意点などについて記事にさせていただきました。
また、今後も、私の荷揚げ屋として経験や知識で共有できる話があれば、記事にしたいと思います
(*‘∀‘)