今回は私がやっている建築関係の仕事、荷揚げ屋(揚重業)の関する記事を書きたいと思います。
なお、現在私は独立していて、個人事業主として荷揚げ屋(揚重業)をやっていますが、今回の記事は、作業員として働いた場合のメリットやデメリットなどを書きたいと思います。
荷揚げ屋(揚重業)以外の建築業の方にも参考になるかと思いますので、よろしければご一読ください。
目次
1.荷揚げ屋(揚重業)とは?
荷揚げ屋(揚重業)とは建築現場などで、建築資材の搬入・搬出・移動などを行うのが主な仕事です。
新築の建築現場以外に、改修工事や、建築現場以外でも搬入・搬出作業をすることも多いです。
搬入・搬出作業は、以前は職人が行っていましたが、負担が大きい為、1980年代に専門業者が発足したと言われています。
仕事は1日単位ではなく1現場単位で、やりじまい前提の半日以内の作業が中心で(会社により異なります)、1日に2現場、3現場、人によっては、もっと4・5現場回る人もいます。
そして、多くの会社が、1日仕事の軽作業も請け負っています(私の所はやっていません)。
2.荷揚げ屋(揚重業)は会社によって大きく異なります
・ 作業内容の割合が異なる
まず、仕事内容が石膏ボードなどの搬出入が多い所や、家具などの仕上げ物が多い所、シャッター・サッシ関係が多い所、1日仕事の軽作業が多い所など、会社によって仕事内容の割合に違いがあり、仕事内容の割合によって仕事のやり方も変わってきます。
・ 仕事範囲も異なる
荷揚げ屋は搬入・搬出時以外の、他の仕事も頼まれる事も多いですが、会社によっては結構何でもやる所もあれば、はぼ、搬入・搬出しかしない所もあります。
これは、荷揚げ屋が比較的新しく出来た業種のため、荷揚げ屋の仕事範囲が明確でない為だと思われます。
会社によって仕事範囲が大きく異なる為、荷揚げ屋と業者で揉める事もよくあります。
・ 仕事のやり方も異なる
同じ荷揚げ屋でも、1度に沢山の量を持って張り合って運ぶ所もあれば、無理せず比較的ゆっくりと運ぶ所もあります。
ちなみに私は、安全重視で無理せず運ぶ方です(それでも、お客さんからは早いと驚かれる事が多いです)。
あと、作業が大雑把な会社もあれば、妙に細かい所にこだわる会社もあります(極端に丁寧に石膏ボード揃えたりなど)。
3.荷揚げ屋(揚重業)のメリット
・ 頑張って働いたらお金が稼げる
荷揚げ屋は固定給ではなく、1現場単位の収入なため、現場数を沢山回ったらお金を稼ぐことができます。
私は以前、借金がありましたが、独立前に所属していた会社で現場数をこなしてお金を稼ぎ、借金を返済しました。
そして、独立してからも現場数をこなしていたので、今ではある程度は金銭的に余裕のある状態になりました。
・ 体力が付く
荷揚げ仕事は、体力と筋力のトレーニングを何時間もしているようなものなので、続けてたら体力と筋力はつきます。
* 余り体力や筋力を使わない仕事の時もあります。
・ 荷揚げ以外の仕事も、仕事が早くなる
私は、荷揚げ屋をする前は、アルバイト先などで仕事が遅いと怒られていましたが、荷揚げ屋を始めてから荷揚げ以外も仕事が早くなりました。
理由は簡単で、荷揚げ屋の仕事はやりじまいが多いので、仕事を早く終わらせたら早く帰れるので、仕事が無意識に早くなっていきます。
私の場合は荷揚げ以外の、やりじまいではない仕事をした時も、仕事が早くなりました。
なお、最近は荷揚げ仕事は早く終わらせ過ぎると、1人当たりの見積りがきつくなる事があるので、早く終わらせるよりも安全とミスに気を付けて仕事をしています。
・ 時間の融通が利く
大体の荷揚げ屋は、スケジュール及び時間の融通を利いてくれます。
・ 普通の仕事より時間が短い
荷揚げ屋は、半日単位のやりじまいが多いので(会社によって多少異なる)、普通の仕事より仕事時間は短いです。
何かやりたい事がある人や、趣味がある人にとっては、普通の仕事より時間に余裕があるのでいいと思います。
私も今は、空いた時間にパソコン関係の勉強をしています。
4.荷揚げ屋(揚重業)のデメリット
・ 現場によってはかなりしんどい
荷揚げ屋の仕事は、かなり当たりはずれがあります。
早く終わるうえに全然しんどくない仕事もあれば、しんどいうえに時間も掛かる仕事もあります。
・ 体に負担が掛かる
重い荷物を何時間も運ぶので、体にかなりの負担が掛かります。
特に一度に沢山持つ運び方をすると、腰や膝などに大きな負担が掛かります。
ちなみに、荷揚げ屋には「バカ持ち」という言葉があります。
「バカ持ち」とは、ボディービルダーがマックスの重量を上げるように、石膏ボード10数枚とか、1度に限界量を持つ行為ですが、とても体に悪い行為ですので絶対にやめておきましょう。
私の経験上、力のある人が荷揚げに慣れてきたら、1度に石膏ボードを10枚以上持つことは可能ですが、マックスで荷物を持てる量と、体に傷めない量は違います。
腰や膝などを傷めてしまうと、荷揚げができなくなるだけではなく、他の仕事をする時や日常生活にも影響が出ますので、「バカ持ち」は絶対しないようにしておきましょう。
絶対に無理しちゃダメだぜ!
・ 長時間の仕事が、普通の人以上に苦痛になる
荷揚げ屋は体力的にはキツイ仕事ですが、仕事時間は短い事が多いので、慣れてしまうと長時間の仕事がかなり苦痛になります。
中にはそれが理由で、荷揚げ屋を続けている人も多いと思います。
・ 長期間続けていると、段々同世代に収入を抜かれていく
荷揚げ屋は元の受け値がある為、ある程度までしか1現場当たりの単価は上がりません。
若い時に始めたら、最初のうちは同世代の会社員より稼げる事が多いですが、長期間続けていくと段々同世代に収入を抜かれていきます。
理由は、会社員は年々昇給していきますが、荷揚げ屋は年を追うごとに体力が落ちていき、回れる現場数も落ちてくるからです。
ちなみに、私には兄がいますが、若い時は私の方が収入が多かったですが、30歳くらいで逆転されました(笑)
・ えらそうな人や、非常識な人と仕事をする事が多い
荷揚げ屋をしていると、えらそうな人や非常識な人と仕事をする事が多いです。
以前の記事、パワハラの傾向と対策!!でも書きましたが、現場を管理する現場監督でも、えらそうな人や非常識の人は多いので、職人や同業の荷揚げ屋もえらそうな人や非常識人は多いです。
もちろん、いい人も沢山いますし、まともな人の方が多いですが、他の仕事よりえらそうな人や非常識な人と仕事をする事は多いと思います。
荷揚げ自体が体力的にキツイ仕事なだけに、えらそうな人や非常識な人と一緒に仕事をすると、倍くらい疲れます。
5.まとめ
荷揚げ屋は、会社によって大きく風潮が異なるので、自分に合った会社を見つけられたら仕事はやりやすいと思います。
そして、荷揚げ屋はメリットもデメリットも多い仕事です。
現在荷揚げ屋をしている方、これから荷揚げ屋をする方は、メリットの部分を上手に活かしていきましょう。
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